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改正労働契約法のポイント

改正労働契約法の改正内容ですが、大きく分けて次の3点になります。
1.無期労働契約への転換
2.「雇止め法理」の法定化
3.期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止

「1.無期労働契約の転換」について

1.無期労働契約への転換
有期雇用契約が通算5年間を超えて反復更新された場合には、有期契約労働者が使用者に対し申込を行うことによって期間の定めのない契約(無期労働契約)へと転換することになります(「無期転換ルール」といいます)。

ポイント①

通算5年超えの有期労働者が申し込んだときは使用者は承諾したものとみなされ、有期契約満了日の翌日から労務が提供される無期契約が成立することになります。

つまり、労働者が申込権を行使した後、使用者が現に締結している有期労働契約の満了日をもって労働者との契約関係を終了させようとする場合、すでに無期契約は成立していますから、無期雇用の解雇に該当することになり、「客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められない場合」には権利を濫用したものとして無効となります。

また、満了日よりもさらに前に契約関係を終わらせようとする場合は、契約期間中の解雇ということになり、通常の解雇よりも厳しい要件が求められるため(労働契約法第17条第1項)十分に注意が必要です。

ポイント②

無期転換の申込権の発生を回避するために一時的に直接雇用からはずし、請負や派遣の形態を偽装した場合は脱法手段とみなされ、同一の使用者との労働契約が継続しているものとみなされます。

ポイント③

労働者が申込権を行使できるタイミングは、通算契約期間が5年を超えることとなる有期労働契約の契約期間の初日から満了日までです。仮にその期間に申込権が行使されなかったときは、再度契約が更新されれば新たにまた申込権が発生し、更新後の満了日まで行使が可能となります。

ポイント④

無期転換を申し込まないことを契約更新の条件とするなど、権利発生前にあらかじめ有期契約労働者に同意をとって申込権を放棄させることは公序良俗に違反し無効となる可能性があります。

ポイント⑤

通算契約期間のカウントを始めるのは、法施行日以後に契約期間の初日が来る有期労働契約からです。そのため、施行日前の日が初日である有期労働契約は通算期間に参入しないことになります。

ポイント⑥

無期転換後の労働条件は、労働協約、就業規則、個々の労働契約によって別段の定めがない限り、従前と同一の労働条件となります。別段の定めをする場合、職務内容が変わらないのに労働条件を従前より低下させることは望ましくないと通達されています。

ポイント⑦

通算契約期間のカウントにあたって、有期労働契約とその次の有期労働契約の間に、同一の使用者の下で働いていない空白期間(クーリング期間)が6ヵ月以上あるときは、その空白期間より前の有期契約期間は5年のカウントに通算せずリセットされます(つまりクーリングされます)。
(※通算対象の契約期間が1年未満の場合は、その2分の1以上の空白期間がクーリング期間になります。この辺りの詳細は厚生労働省令で定められます。)

体制の整備が重要なのはポイント⑥の無期転換後の労働条件です。労働契約とは基本的に契約なので、その企業の契約社員の位置づけ、無期転換後の位置づけをはっきりさせた上で労働条件を就業規則、規程、雇用契約書に明記し、社内の転換ルールをはっきりさせなければ後々トラブルの火種となります。

※改正法の詳細については、当事務所にまでお気軽にご相談ください。


厚生労働省の資料
リーフレット
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/h240829-01.pdf

あらまし
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/pamphlet.pdf